
PONOって、“普通のゲーム”として見れば、「シンプルすぎて物足りない」と感じて当たり前です。
はい、“アタリマエ” なのです。大事なことなので2回言いました。(笑)
私がそもそも、PONOというゲーム(玩具・アプリ)(20年間ずっと私の頭の中にだけ存在していました)を、この世に具現化したいと思ったのは、集中力を余らせたかったからなのです。
なぜなら、人は集中力が余っている時に、心の余裕(頭の隙間)ができるからです。
私は一般的に語られているマインドフルネスの概念とは、少し異なる考え方を持っています。
別の記事でも詳しく(そして長々と)語っていますが、ここでは、
PONOのコンセプトとそこにある“哲学”
について、簡潔に!テンポよく!語ってみたいと思います。
集中力が余っている時こそ“自由”になれる
世の中のマインドフルネス指南や自己啓発においては、「集中力が足りない」ことを問題視する論調が多いですが、私はそれとは少し違って、
集中 “しすぎる” と、逆に視野が狭くなり、心がこわばってしまう。
それよりも、集中の一部を “余らせている” ような感覚のほうが、心地よい自由や余白が生まれるのではないか?
と考えています。
また、よく言われるマインドフルネスの概念である「マインドをフルにする」、「今この瞬間に完全に意識を集中する」ということはあまり現実的でないと思うと同時に、
……そもそも集中しきる必要ある?
と考えているのです。
ですから、私の考えとしては「もっと集中しよう!」とは真逆。
集中力を少し余らせることが “自由” につながる❗️
➡︎ 心に余裕(頭に隙間)がある状態になれる❗️
➡︎ そのまま心を無にすることもできるし、あるいは、のびのびと思考することもできる❗️
➡︎ あえて集中力が余るように、シンプルなことに集中してみよう❗️
という考え方です。
これが、私の考える瞑想の本質であり、これは静的瞑想・動的瞑想いずれかに限定されません。なぜなら、静的瞑想でも「呼吸に集中する」といったように、上記の要素は少なからずあるからです。
※ 動的瞑想は行動瞑想ともいい、ここでの行動はいずれもシンプルな行動に限定されます。例:歩行、写経など。
PONOにおいて注目してほしいポイント
PONOは、言ってみれば、集中を高めるのではなく、自然に余らせて、その空白の中に立ち戻るゲーム。
私が届けようとしているのは、実は、“自由な瞑想のかたち”なのです。
ここからはPONOにおいて、注目してほしいポイントを列記しながら、それとともにちょっとした豆知識(裏話)を披露してみたいと思います。
※ ちなみに私は「マインドフルネス」よりも「瞑想」という言葉のほうに、広義の解釈ができる余地と可能性を感じています。
❶ 終わらないけど、いつやめてもいい
一定時間瞑想しましょう、呼吸に意識を向け続けましょう……ではなく、「終わらないけど、いつでもやめていい」というのが、PONOの最大の “自由さ” であり、“遊び” であると言える所以です。
❷ まるで “人生そのもの” のようなルールとゲームシステム
人生とは、絶えず、その場の状況に応じて、「活かせるものは活かし、足りないものは手に入れ、不要なものは手放す」……の繰り返しです。
PONOのきわめてシンプルなルールとゲームシステムは、これを体現しています。よって、PONOをプレイすることは、人生を生きることと似ています。
❸ “無限” を体現したデザイン
PONOのアイコンは、無限および万物の根源を意味する “陰陽太極図(いんようたいきょくず)” を角ばらせたものを使用しています。(いんようは、おんよう、おんみょう、とも。)
また、デジタルスイッチ部分のベースは、当然「8」です。ここから足し引きをして0〜9までの数字を作ることができます。「8」は横にすると “無限大(∞)” の記号となりますし、数霊(かずたま)的にも “無限の象徴” とされています。
さらに、PONOではスイッチの「ON/OFF」を繰り返しますが、これはそのまま「陰」と「陽」の概念とリンクしています。
※ 陰陽太極図 を角ばらせることによって、PONOの「P」が浮かび上がる仕掛けにもなっています。


❹「広告」が入っている理由
PONOのモード選択画面には、漢数字モード、ブロックモード、英語スペルモード、ミックスモードの下に「広告」が入っていますが、これはもともと「雑念・欲望」と表記する予定でした。
「雑念・欲望」とは、現代の競争社会・消費社会のことを表し、言ってみれば「刺激の世界」です。
これは心を静める「瞑想」とは対極の概念になりますが、刺激を受けたいという気持ちがあるのもまた人間らしさ。
ですので、そこも否定せず、各モードの表示に並べて「広告」を入れてあります。
※ 広告は、感情を喚起するいわゆる刺激物です。本当はここは「雑念・欲望」としたほうが分かりやすかったのですが、google広告がそれを許してくれなかったため、仕方なく「広告」としました。(笑)
❺ PONOにおける両立の美学
PONOは動的瞑想(行動瞑想)ゲームですが、前述のように「刺激を受けたい!」という人間らしさもけっして否定していません。
・競わないけど、あえてタイムアタックモードをつける
・終わりがないけど、自分のタイミングで終われる
・瞑想をテーマにしているけど、雑念や欲望だって否定しない
というふうに、すべてにおいて、現実社会との折り合いを考えています。
❻ “ひとこと” は未来への希望
PONOはプレイ終了時に、10パターンのメッセージが、“ひとこと” と題して表示されるようになっています。これらは中国の古代思想・十干(じっかん)をもとにしたメッセージなのですが、単なるランダム表示ではありません。
PONOでは0〜9までの10個の数字を扱います。そして10パターンのメッセージは、各数字ごとに紐づけられています。
プレイ終了時には、『その時、画面に出ていた指示数字の “次に出る予定の数字” 』に紐づけられているメッセージが表示される仕組みになっています。
つまり、PONOにおける “ひとこと” は、プレイヤーの “ちょっとだけ未来” を指すのです。
どれも、気持ちをネガティブにする内容のものはなく、いつプレイしても、どんな “ひとこと” が出ても、気持ちをポジティブにリセットできるようになっています。
❼ 変換の醍醐味
基本モードは「漢数字」「ブロック」「英語スペル」と3種ありますが、もっともPONOらしさが表れているのは「ブロック」モードです。
PONOでは、数字を字として “読む” のではなく、“判断する” というところに重きを置いています。
それを頭の中で、デジタル数字に “変換” し、スイッチを操作する、という面白さを大事にしています。
※ 慣れてくると「漢数字」も「英語スペル」も、頭の中で “読んでは” いないはずです、“判断” しているはずです。
❽ 物事は慣れれば慣れるほど “シンプル” になる
PONOと同じく動的瞑想(行動瞑想)の代表格である「太極拳」を例にすると、新しい動きを覚えたばかりの時は、瞑想には程遠いですが、次第に慣れてきて何も考えずに動けるようになってくると、瞑想の感覚に近づいてきます。
PONOも同様です。ルールに慣れるまでは、瞑想というより “脳トレ” の感覚に近いですが、慣れてくると次第に瞑想の感覚が得られるようになってきます。
PONOでは、私の考える瞑想の本質である、「シンプルなことに集中して、集中力を余らせ、心を無にしたり、のびのびと思考したりできる」というところを、手軽にできる “ゲーム” として体現しています。
※ ちなみに脳トレに限らず、瞑想にも脳のネットワークを活性化する働きがあります。
PONOはデジタル時代における “陰陽行動瞑想アプリ”
「バランス」と「調和」の訓練を無意識のうちに行える
PONOのスイッチ操作は、ただの操作ではなく、
どのスイッチを消すか、どのスイッチを残すかという『自分との対話』
です。
つまり、
「陰」と「陽」をどう調和するかを、身体で感じながら選んでいく体験
です。
たとえば、スイッチの状態が「8」のときは完全な太極。それ以外の数字のときは、「ちょっとOFFが多い状態(陰が多い)」とか「ONが少しだけ残っている状態(陽が勝っている)」とか、陰陽のグラデーションが数字という形で現れています。
これを無意識に繰り返しているプレイヤーは、実はずっと「バランス」と「調和」の訓練をしているということになるのです。
PONOは “終わらない人生” を “いつでもやめられる遊び” に変えた瞑想体験
こうしたPONOは、デジタル時代における “陰陽行動瞑想” アプリと言えるでしょう。
ON/OFFの世界(=デジタル)の中で、陰陽を整え、リズムを見つけ、終わりのない変化を受け入れながら、やがて無心になっていく——。
少々大げさですが、現代の “道(タオ)” のツールと言ってもいいかも知れません。
さらに言えば、それが “ゲーム” として、つまり “遊び” として行えることも、大きなポイントです。
制作者としては、このPONOを通して、
これまで「遊び=暇つぶし」「瞑想=修行」だった世界観を、ごっそりと入れ替えることができたら……
と願っています。
もし、あなたが、この終わりのない日常の中で、ふと、立ち止まりたくなったら、このPONOという “心の安全基地” のことを思い出してください。
そして、触れてみたくなったら、触れて、ぜひ指先を動かしてみてください。
「何かが変わる」ではなく、「何かが “ほどけていく” 感覚」を、味わってもらえるはずです。
→ PONOと瞑想との関係性についてもっと知りたい方はこちら